虚無と婚活

頼まれなくたって生きてやる

【婚活】わたしの叔父の話

わたしが結婚にこだわる理由の一つに叔父の生き方を見てきたからがある

わたしの叔父は所謂「子供部屋おじさん」だった

父の実家のある群馬の地方都市で就職後、ずっと独立せずに彼は実家の離れで生活していた

その後も結婚はせず、ずっと独り身だった

何度かお見合いの話もあったのらしいが、上手くいかなかったらしい

それ自体は別に咎めることはそんなにないだろう

わたしの父は三人兄弟の長男だったが若い時に都内へ出てしまい、末の叔父も同様だったので、田舎に特有の跡取り的な立場だったのかもしれない

小さい頃は帰省時に良く可愛がってくれたし、お小遣いも沢山くれたので、わたしもよく懐いていたかと思う

問題はわたしが社会人になった後、彼が出稼ぎに来ていたフィリピン人の女性と実家の離れに同棲し始めたから歯車が狂い出した

出会いはフィリピンパブだったらしい

同棲し始めた当初は家のことも手伝っていたらしいが、そのうち離れに引きこもるようになり、祖父母は帰省するたびにわたしの両親に愚痴を漏らしていた

どうやら彼は毎月高額なお小遣いを渡していたらしい

結局、その後その生活は一、二年で破綻したらしく彼の同棲は解消された

しかしその後フィリピンにその女性が帰っても仕送りとして支払っていたらしく祖父母がとうの昔に亡くなった今も続いているそうだ

わたしの叔父は釣りが趣味で、給料の半分以上を釣りに費やしていた

高価なロッドとかを毎年のように買ってたし、増えていく釣り道具が乗るように車も頻繁に買い替えていた

そういえば、祖父が亡くなった時の喪主は叔父だったが、叔父は精進落としの時に祖父と関係のない釣り協会だか何だかの偉い人に挨拶してもらっていたのは笑った

それくらい釣りに熱を入れていた叔父は、兄弟三人で均等に分ける予定だった祖父母の遺産を、全て釣りに費やしたらしく、残念ながら兄弟で司法に入ってもらって調停中である

 

ここまでつらつらと書いてきて、結局何が言いたいのかというと、子供部屋おじさんだった叔父は、わたしから見て非常に軽蔑されるものだったし、今後一切関わりたくないとすら思っているし、彼の半生を絶対になぞりたくないという強い思いがある

わたしの兄妹や家族の認識も同じである

だからこそ、彼のようになってはいけないという強い暗示がわたし自身にある

それが、実家から独立してパートナーをみつけて家庭を育まなくてはならないということに繋がってくるのだ

時々、このまま趣味人として生きていくのもありかと思う時もあるけれども、必ず叔父のことが頭をよぎり、漠然としたはっきりしない不安感に苛まれてしまう

それを払拭したいがために、出会いを求めて数年間婚活をしてきたのだと思う

 

昨年「ジョーカー」が流行った時、「子供部屋おじさん」という言葉が流行ったが、すでに所帯をもったわたしの弟に「アレ、全部お前の話やん」って冗談で言われた時は地味に答えた(わたしの弟はすでに子供が二人いる)

最近ジョーカーがNetflixで配信し始めたので、昨日ビールを飲みながら観ていて、ふと叔父のことを思い出し、感情を吐き出さずにはいられなくなった